土佐の嗚咽

突然あらわれてほとんど変人である

青椒肉森 

 時の流れはあっという間だ。梅雨入りしたこともあり、増水した近所の川は激しい濁流が襲う。その流れに合わせて、俺のブログへのやる気も、簡単に流されてしまう。

 

 という言い訳ね。全く。

 大雨で増水することを、室戸では大水というね。おおみず。初めて「中村主水」という字を見た時、これは読めないと思ったときのような、虚を突かれた感じ。大水というシンプルな言葉、猛々しい自然の力を端的に表しているのだ。

 

 今日は仕事が休みだったが、懇意にして下さる業者さんに呼ばれ、サーモンの養殖場へ。ためになる話を聞きつつ、脳みその半分は夕食に何を食おうかと思い巡らすのに精一杯だった。

 帰り際、雨に打たれながら市営図書館に寄る。2年ぶり位だろうか。

 最初は貸し切りだった。新著もあり、雑誌も十分。惜しむらくは蛍光灯が暗い。眼鏡がくぐもっているんだろうと思ったが、どうやら照明が仄暗いのだ。デスクライトもないので、ちょっとお勉強をするには辛いかな。しかし、室戸図書館は毎日でも来たい居心地かな。この前行った高知市のオーデピアはでかすぎる。俺の身の丈には合わないのだ。

 

 

 ガラガラの図書館で借りたのは3冊。今までの人生で借りた本を読み切った覚えがほとんどない。さてどこまで行けるかな。で、たまには机でお勉強風なこともしてみた。もう明日で31歳だよ。オジサンを否定しちゃいけなくなる年頃だよ。将来設計と薄っぺらな目標ができたので、まあここ二年で一番進歩した日じゃなかろうか。

 己の将来と、この街の教養に不安を覚えつつ図書館を後にする。

 すぐ近くのスーパーへ向かう。30%オフのシールを目ざとく見つけ夕暮れ5時に帰宅。肉、納豆、牛乳、タコが入った袋を下げて、自宅前、車庫前の雨樋の下。どちらも大水には対応できないので、滝のように溢れている。頭にジャパジャパとかかる滝行は、もはや吉良川名物と言ってもそう過言ではない。否、滝行してる冴えない男そのものが名物と化しているのだ。

 今日は何作ろう。雨音は腹減りの合図だ。

 昨日、ピーマン、ナス、じゃがいもを貰ったので、なんちゃって青椒肉絲をば。たけのこは入手し難い(要は金だして買いたくないだけだろ)ので、じゃがいもで黄色を補う。青椒肉絲なんてのは、ようは色を揃えれば何でもいい。中華料理界の七並べみたいなもんだ。

f:id:Sixdoublejump:20190703214351j:plain

 昔買った中華鍋が赤錆だらけだったので、この前の休みにカセットコンロで焼き切ってメンテナンス。かなりきれいになった。これを使うと何となく上手くなった気で、美味くなった気がする。

f:id:Sixdoublejump:20190703215049j:plain

 完成。いつも調理工程も写真に収めようと意識はしているが、これが難しい。世の中のブログや動画の人は、ほんと豆だこと。そんな事もできない俺は、豚バラを細切りにする体力もなくて、結果細かな塊になってしまった。これじゃ安かった豚こま買ったら良かったな。

 レシピなんてものはない。生まれて何度となく食べてきた青椒肉絲イメージを何となく具現化するだけだ。一度素揚げした野菜、肉をニンニク、生姜で炒めてから、醤油、オイスターソース、豆の発酵した調味料、胡椒、紹興酒を加えたタレで絡める。いかんせん素揚げした食材の油切りがイマイチでかなりオイリーになってしまった。

 これでは映えないとみるや、思わず窓から見えた空き家の中庭の緑を加えて撮影。幾分サッパリした見た目になった。食材でも食器でも、外の緑を入れちゃうあたりが凄く褒めたい。栗原はるみ先生ならさぞお喜びだろう。

 

 しかし、晩酌は何故か青椒肉絲がない食卓。

 いつ作ったか不鮮明な枝豆の卵焼き、固いナスと豚肉の梅味噌炒めの残りが冷蔵庫にあったので、先に始末しなくてはならなかったのだ。一人ぐらいの自炊はいいことがない。食べきれないし、同じもん食べたくないし、意外と材料費、光熱費かかるし、ほんとオススメしない。俺は近所にコンビニもスーパーもなく、野菜や食材をいつも頂くので、仕方なしにと続けてきた成れの果てになってしまっただけなのだ。

 あ、今日買ってきたタコは、きゅうりと三杯酢和えにして食べる。味が決まらなくて、三杯も四杯も入れてしまったのは、ここだけの内緒。左の飲み物は、発酵した水が変色したもの。水面はエスプーマ仕立てにしてみました。

f:id:Sixdoublejump:20190703230130j:plain

 青椒肉絲は明日の弁当に。熱々のうちに食べたいという料理好きとしての性と、明日の弁当へ繋げるために冷蔵庫に避難させたいという気持ち。その葛藤に今日も克ったので、気持ちよく読書にふけりたいと思う。

 そういえばこの前の投稿で仄めかしたラーメンのこと。いっとき消えかけてた熱がまた出てきたので、少しうれしくなった。結果は完売。100杯近くを売ってきたが、あろを店で売ろうとか思わず、祭りに華を添えただけとしておこう。それぐらい、ラーメンは伸びしろしかないのだ。

f:id:Sixdoublejump:20190703232317j:plain

 ハードボイルドな玉子と青ネギは置いといて、軟弱者を寄せ付けない、噛みごたえある大ぶりロースチャーシューが目玉。適度な脂身と肉っ気が、昔ながらの支那そばっぽくて好き。小さな公民館のお祭りは年配者も多かったき、むつこい(しつこい)豚バラよりも食べやすいと思った。ただ、ちゃんとロールして茹でれば見栄えも良かったな。それに醤油につけるのは豚バラよりも短めにだ。すぐパサパサして中に塩気が回ってしまう。いい学びの場になった。例年通り子どもらは2杯、3杯食べてくれる。嬉しいね。これか?お店やる理由って。 

 余談。お祭りのメインイベントのくじ引き。この写真の左側まで続いて、たしか30等ぐらいまであったんだよこれが。嬉しいんだけど長い。当選者が増えた後半は、更に間延びのポケットがしばしば出現。しかしながらほぼ全員当選するから、誰も油断できない死亡遊戯だよこりゃ。

 ちなみにラーメングループ一同で、はちみつ、靴下、洗剤、スリッパ入れ他、かなり色々当てました。ごちそうさん

f:id:Sixdoublejump:20190703231733p:plain

 

 また31歳でお愛しましょう。