三十路、四十寺に登るの巻
土日月と連休をがっつり働かせて頂きまして、火曜の休みは久しぶりだな。
仕事の電話も朝からチョコチョコ着電。怯まずに洗濯して、昼から高知市内へ行こうと思ったが、踵を返すように逆の室戸へ。四十寺山にようやく登る。
近くて遠いとはこのこと。室戸の名峰四十寺山は、標高300メートルと、低山アルピニストの俺をワクワクさせやがる。天気もすこぶる良いので、いっちょ登ってみっかと向かう。自宅からは30分もかからない。途中コンビニでカップ麺とおにぎりを購入。
アクエリを水筒に詰め替え、いざ出陣じゃ。
このあたりは郷地区。室戸の山寄りの地域でも結構盛んなところで、まあ職場の同僚から知り合いも何人かいる。そんな方らからは登山口の下まで車を置けるという情報も聴いたが、道が狭かったり何かトラブルになるのも面倒なので、ネットの案内にある室津神社前に駐車。郷に入れば郷に従えだ。ちなみにこの神社前、何台か停まっていたが、ほーん、日陰でひと目にもつかないき、仕事サボるのにぴったりの場所とみた。ほーん。
車を停めて徒歩で登山口まで。橋を渡る。橋渡って左曲がって右曲がって右曲がる。格ゲーでいうとこの上上下右みたいな要領でおねがいな。
この左っ側が登山口。分かりづらいね。俺もここで4分ぐらい迷ったよ。しかし最近涼しくなったものの、今日の室戸は実にクーラー日和。山登りには適してない暑さのため、この時点で引き返そうと思いましたよ。
少し登るとこの警告のような門が見えるが構わず進め。これはこっから先は、ガンぶっ放して狩猟しちゃ駄目よって区域だから大丈夫。けど突然ハンターに襲われるかもしれないから、常に身は案じていたほうが良い。人間はいつ死ぬかわからない。
門から二分も経たない内に、山へ続く登山口がやってくる。石標と杖のビュッフェが目印だが、いや絶対右の道なりの安心感で右行くだろ。俺は試されてるのか?と少し考えて左側から登ることを決意。
ここは地元有志の方々の手入れが行き届いており、道は綺麗なものでした。けど、滅多に登る人もいない季節なので蜘蛛の巣や折れた竹が行く手を阻んでおり、杖をブンブン振り回しながら登る。足もさることながら、腕が疲れましたよ。
毎度登り始めの10分は、あまりのしんどさに来たことを後悔してしまう。頂上に着けば、その後悔は流れ、全てが報われるほどの多幸感に満ち満ちるんだけどね。よくラーメン二郎が山登りに例えられるが、あながち間違ってはいないなありゃ。
さて、日々の諸々も忘れて50分ほど登るとようやく青空が広がる。山頂部は植樹からトイレまで、充実のアフターサービスだ。
1つ目の展望台。中々のいいステージだ。おまけに景色も良し。大半の人はここで大満足だろう。
せっかく来たのでもう一ステージ上にのぼる。一段上に上がるのは、山登ってるときぐらいだ。普段は麓でお土産売ってるレベルで向上心はない。
車から1時間ぴったしでようやく頂上の展望台へ。近いね。昼過ぎで日差しマックスでしたが、ここまでくると風が心地よい。景色も素晴らしい。奥は室戸の港。そこから山の間に連なる市街地と室戸高校、向かいの丘には県が建てた立派なドームと球場がある。左手には果てしない土佐湾。
こんな近い場所にこんな良き展望台と山があったものかと感動。さすが室戸市内の学校の校歌に出てくるだけある。ガキの頃からこの山の素晴らしさを洗脳されているのだ。
展望台から少し登ると四十寺のお堂である。四十寺ってんだからお寺さんなのに、おもくそ柏手しちまったよ。ふー。
水呑み場と書いてあるが、進めど進めど見つからなかった。修験者を惑わすトラップか。事前に飲み物のご用意はしっかりと。今日のような暑さだったら、低山と言えど危ないですよ。
当然に貸し切りなので、展望台で遅めの山飯をば。だんだん道具も増えてきたので色々こだわってランチ作ってもいいんだけど、普段コンビニ行かないのでコンビニおにぎりが旨すぎて、「お湯沸かす」以外の技の選択肢が増えません。箸はダイソーのカトラリー。小さくて便利。ゴトクは高校からのカニ缶ゴトクを卒業して、エバニューのチタンゴトクに進化。カニ缶も絶妙な安定感でしたが、どうしても空気穴からだけになって火力が弱い&すぐ消えてしまうのが辛かった。これはガッツリ火力が活かせる。風の問題は気になるが、湯の沸き方が3分の1ぐらいになったような気がする。文明の利器恐るべしというか、早く買っとけよ俺。
そうそう、これは自宅での試し焚きの写真だけど、クッカーもDUG社のPOT-Mを新調。注ぎ口があるのが地味に嬉しい。軽いし、こん中にライターやゴトクもストーブも入るし、ごきげんなグッズだぜ。試し焚きにして取っ手が少し溶けてしまったが、遅かれ早かれのもんだから仕方あるまい。
お湯が沸くまで休憩。風に吹かれながら山を見ると、もう桜がこんにちは。何も春にみんなと出てくる必要はない。個性が死んでしまう。俺は俺らしく。君は君らしく。
ちなみに今日のお供はグラナイトギア ヴェイパーデイ。上のポケットはぶっこわれ、本日もフロントのジッパーの取っ手みたいなのが取れてしまったが、まだイケる。俺の目が黒いうちは背負わせてください。
ちなみにこれ、大学時代からの相棒。神保町のさかいやで買ったっけな。高いんだよこのバッグ。さかいや自体も高いけど。大学1年ぐらいだと思うけど、かなり逡巡して買った覚えがある。でもこれでフジロックも青森も広島も大学の九州合宿にも行った。岡と行った妙高高原や沖縄もそうかな。あ、小野くんとの岩手は違う。マジックマウンテン?のバッグだったな。知らんけど。
とにかく物持ちの悪い俺にしては、ほんと長く使ってるザックだ。そんで室戸に初めて来たときもこいつに荷物パンパンにして来たんだよな。最近ブラックダイヤモンドのザックばかり浮気して使ってるが、俺の洒落臭え旅にはいつだってこいつが味方してくれた。本当に感謝だ、ありがとう。
こういういい思い出が走馬灯のように蘇った後のかき揚げうどん。これはイマイチだった。かき揚げがもとからシナシナじゃねえか。後乗せしたのに先乗せよりもシナシナしてんじゃねえか。後出しジャンケンして負けてる人みたいになってる俺。俺はサクサクが食べたいの!サクサクが!カップラーメンにすればよかった。びっくりしたわほんと。ただ汗が乾いて急激に冷たくなる身体に、あったかいスープは幸せ。綺麗に飲み干してしもたで。
頂上から私のベンツが見えますね。駐禁の取締りが来ても時既に遅しだろう。おっと、私のベンツの前にはまた新しいサボり営業車か・・・まったくどうなってんだこの町は。
お腹も心も満たされて下山します。仕事とか人間を置いてきて、ただただお天道さまに近づくってのは、どうしてこう楽しいのでしょうか。ソウルが揺れるいい山でしたよ四十寺山は。三十路にも丁度いい小さな旅。
帰りには秋の訪れクリを拾おうかと思いましたが、自分のお店で痛い思いしないで買えるのでやめました。香港のデモ参加予定の方はこちらお貸ししますのでご一報ください。
とうことで無事下山。昼から行って夕方前に帰れる高コスパハイキング。地元の方の手入れのおかげで道は綺麗にされてトイレもあるので、女性や軟弱な若者にもおすすめです。湧き水とか鎖場とかそういうThe山登り要素はないので、コンビニでお弁当と飲み物と刃牙のコミック本でも買って涼しい時期に登ってケロ。
その後セイムスで買い物して帰宅して洗車して風呂入ってオナニーにして晩酌。タイ風サラダと鳥つくねバーグきのこソースをつまみに焼酎の牛乳割りで今に至る。いい加減に作った割に旨い。店出したら良いと思うよ、俺は早く。
あ、ベンツ前に駐車してた車は、帰り際にすれ違ったけど知り合いのお姉さんが仕事で停めてただけでした。そう、世の中は平らな日ですね。失礼しました。あのお姉さんは真面目できれいな人だ。そういうフッとした恋とは違う好意の感情を持ってはじめて、俺は山から降りてきた人間に戻った証ということなのでしょうね。さようなろう。
この方のレポートが参考になりました。地図とか。
定番のえい山歩記も参考にされたし。
次は木曜が休み。どうしようかな。